2008年に日本人がハワイ(海外)で初めて設立したグリーフケアのピアサポートグループが、COPE Hawaii(コープハワイ)の前身のHUG Hawaiiでした。
HUG Hawaii(ハグハワイ)は、ハワイに住む日本人が、異国の地で家族と死別するという悲嘆と苦難を抱える中で、痛みを分かり合える死別経験者同士がお互いに支え合うピアサポートグループとして、2021年まで活動していました。
当時、日本人の中には『グリーフケア(死別後の悲嘆ケア)』という言葉すら馴染みがなく、米国ではホスピスや教会、お寺でグリーフケアが行われていましたが、それらは全て英語で行われるものでした。
悲しみの中にいる時に、外国語で自分の気持ちを表現するのは倍のエネルギーが必要となり、そのようなケアを受ける日本人も少なかった現状がありました。
そこで母国語でそれぞれの悲しみを分け合い、励まし合う事を目的に、定期的に分かち合いのミーティングを持っていました。
そして、励ましを受けた方達の中から日本でも定期的なミーティングを開催してくれる協力者が現れ、日本各地で分かち合いミーティングが行われるようになりました。
2020年3月からコロナ感染の流行により、対面の分かち合いミーティングやイベントが出来なくなり、2021年8月にハワイ、東京、大阪、北海道など、HUG Hawaiiとしての活動を終了することになりました。
しかし、13年間のHUG Hawaiiの活動を通して、死別経験者が繋がることの意味を強く感じていた為、コロナ流行の産物でもあるオンラインを通じて、COPE Hawaiiという死別経験者のコミュニティーを作ることとなりました。
これまで700名以上の死別経験者と交流をして参りましたが、多くの方から耳にする言葉は、死別経験者同士が「初めて出会った人とは思えない」「昔から知っている人のような心の結びつきを感じる」というものでした。そして多くの皆さんが、サポートグループを通して出会った方々と、長く良き交流を続けているということが分かっています。
愛する人を失った悲しみは人生最大の苦しみであり、その時は一生乗り越えられない困難のように感じ、自分ひとりがそのような悲しみの状況にあるような孤独感に襲われるかもしれません。
しかし同じような経験をした仲間が出会い、分かち合い、繋がることは、お互いの感情や困難を理解しやすく、自然に癒しを得られやすい行動です。そして、同じような悩みを持つこともあり、解決の糸口を見つけやすい場合も多いです。
COPE Hawaiiという名前はCircle Of Peer Encouragement (仲間の励ましの輪))の頭文字から出来ています。そして、英語のCOPEという単語は、「困難に対処する」という意味があります。
同じような経験をした仲間同士が励ましの輪を作り、困難に対処していくことは人間の最大の能力とも言えなくもありません。
時に人は、死別の悲しみを「時間が解決してくれる」と言うかもしれません。
でも、その時間が経つのをただ待つだけの生活は辛過ぎます。苦しい時間をただ待って過ごすより、一歩踏み出して、同じ経験者と時間を過ごすことを選択してみませんか。
真っ暗な世界に、小さな光を見るようになれるかもしれません。
愛する人を亡くした方達が、自分に合った悲しみからの立ち上がり方を見つけるひとつの選択肢として、COPE Hawaiiが存在しています。
悲しみを和らげる方法は、皆、違いますが、ご自分のペースで、ご自分の気持ちの安らぐ居場所を見つけられることを祈っています。
*COPE Hawaiiは、特別なイベントや個人カウンセリングのサービスを除き、基本的にはボランティアベースで活動しています。